東京裁判―もう一つのニュルンベルク

戦争は終わった、だけれども残るのはそれを引き起こしたものを裁くことだ…だけれどもそれは、一筋縄ではいかない。私たちにはある意味、戦争を裁くということは実質できないように思います。どうあがいても公正な目で見ることは困難なのです。そこには奥底に憎しみがこもっていたりもするのです。罪に問われた側だって、命が惜しいのです。都合のいい解釈をして何とか罪を逃れようとします。余りにもこの戦争は起きた出来事が多過ぎました。その結果、長期化となってしまったり弁護するはずが弁護にならなかったり…実質失敗とも取れる描写が見られます。そして、判決に関しても。ある程度この戦争関連の本を読めばご存知かもしれませんが、一人だけ「なぜ絞首刑に」という人が紛れているのです。余りにその人をそれに処するにはむごすぎました。いろいろと考えさせられる作品ですね。