はじめての中国語発音 (アスカカルチャー)

中国語学習教材。著者は日本の大企業で中国語講師を経験しているだけあって、日本人が話す外国語の発音に問題があり通じないことを理解しているので、最初に発音についての講義を詳細にまとめ、発音を正しく理解することで実用性が向上することを解説している。特に付属の音声CDでの学習に力を入れ通じる中国語の取得という観点から教材を構成している点が優れている。日本人の著者が解説している語学教材は概ね文法に紙片を割いている割合が多いが、中国人が解説している教材は発音や会話上での発音に重点を置いている教材が多い。これはやはり実際に来日して語学学習のあり方を確認した上で、中国国内で日本人の話す中国語が通じないのが発音が間違えているために通じないということが理解できているからだと認識できる。英語より更に子音数が多い中国語は、カタカナ表記にしてしまうとまったく違う発音に聞こえてしまうことと、単語ごとのイントネーションが複雑で抑揚の少ない日本語を話している日本人には抑揚という概念が希薄であることも重要な要因と言える。発音と抑揚という面に注視して音声CDを聞きながら学習を勧めることでかなり理解が深まる構成になっている。