馬の瞳を見つめて

毎週華やかに競馬が開催され、競馬場は人で溢れかえる。大きなレースを勝った馬は英雄となり、関係者は讃えられるが・・無名のまま終わった競走馬達の最後はどうなるのかは誰も知らない、知ろうとしないと言った方が良いかもしれない。乗馬になれる競走馬はだいたい30～40頭に一頭と言われるのをどれだけの人が知ってるだろうか。功労馬と認められればその余生が守られる。その写真展を見に行った事があって、現役時代を良く知ってる馬達の写真がたくさん並んでいて涙がこぼれた。そうならなかった馬がどうなるか・・可哀そうと人は簡単に言うけれど、じゃあその可哀そうな馬をなぜ助けないのか、と問えば皆沈黙する。手を汚しもしないで無責任に言うなと声を大にして言いたい。著者は馬を育て、その死にも向き合っている。馬を愛するとはどういう事なのか、辛く悲しい現実と向き合わねばならないのだ。綺麗ごとではないのである。この本が当たり前に書店に並び、誰しも手に取れるようにならないだろうか。私がこの本を手に入れた時もかなりレアで、探すのが大変だった。馬が好きだという人、競馬が好きという人、とにかく読んでもらいたい。馬を愛するとはどういう事なのか、知って欲しいと思うからである。